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セーラジャーナル

英語さんぽ道

Hygge ~日々の暮らしの中で~

外国に暮らしていたことの意味や影響を、時々考える。
そんなに難しいことではなくて、日常レベルで”あの時のあのコトが、今習慣になっている”とか、そういうこと。

私は、20代の頃一年間カリフォルニア・オークランドに住んでいた。ホームステイ。会社経営の中国系アメリカ人Danとソーシャルワーカー、大学の准教授Judyご夫妻と2人の子Kate とNick。インテリジェントなDanとJudyの暮らし。朝起きるとクラシックが流れ、家の本棚には、収まりきれない本。アジアンテイストのアートが飾られている。料理はもっぱらDanが作る。週末には、小さな子どもたちをベビーシッターに預けて、夫婦2人で映画観に行ったり、食事に出かけたり。Chow家には友人がよく集まって、パーティ。大人は大人。子どもは子どもの時間を愉しむ。 夫婦が、親子が、友人が、とにかくよく話していた。Hugs and Kisses. 毎日、毎日。
 
そんな素敵な暮らしぶりに、私は目の前で映画を観ているようだった。気後れしつつ、あーー自分は日本人だなぁ~と感じた。

自分の価値観や、人生観を形成している真っ最中、柔軟な20代に出会った人、経験したことは、その後の自分の価値観や人生観に大きな影響を与えてくれる、と今になって思う。

少しづつ、外国の暮らしへの憧れと好奇心が膨らみ、その後も「次はどこ?」とばかりに”飛行機に乗って日本脱出!”に、とりつかれていた。 行き先は、友人が住む国、街。友人の家にホームステイさせてもらい、日常を一緒に過ごす、それが私の好きな外国時間。

  テーブルセッティングや、
    人のもてなし方・・・を学んだのはアメリカ。
 
  焼きたてのパンとチーズの美味しさや、
    自転車の快適さ・・・を知ったのはオランダ。

  テーブルクロスの使い方や、
    森の散歩の日常・・・を愛おしく感じたのはドイツ。

  キャンドルを灯す習慣や、
    暮らしのなかのアートの豊かさ・・・を垣間見たのはノルウェー。

  お祈りの習慣や、
    人に対する優しさ・・・を教えてもらったのはマレーシア。


折りしも、こんな言葉に出会った。
『Hygge』
「人と人とのふれあいから生まれる暮らしの中の心地よい空間」という意味。縁側でゆっくりお茶を味わう時の和やかな雰囲気や、居心地の良いソファで友人とのおしゃべり。家族揃ってテーブルを囲み美味しい料理を食べる・・・そんな時に感じる”ほっ”とした気持ちをさす言葉。朝からキャンドルを灯す、そういう質素でありながら”リッチ感”を味わえる生活。』
  (クラブエイトスタジオ 越智社長講師 『北欧スタイル彼らの住みこなし方』より)

そして今、気づくのは外国で暮らしたことの意味、影響は毎日の暮らしに活かされている、と。海外のあちこちで、感じた”豊かさ”。決してあり余すほどのお金があるということでもなく、地位でも、肩書きでもなく、日常にある豊かさ。

毎日の暮らしを慈しむことができるなら、豊かな人生・・・ということになっていくのではないか。 一生は、その毎日の積み重ねなのだから・・・ 

                              ゆったりまいりましょう。