英会話 Let's Talk!

セーラジャーナル

英語さんぽ道

サイレンor セイレン?

2023年春、新型コロナウィルスが季節性インフルエンザなどと同類の
5類に位置づけされるようになり、世の中に明るさが戻ってきた。
気軽に外出できること、自由に人と会い、集まることができるありがたみを実感しながら、
これまでお休みしていた『ワークショップ』を再開することにした。
『世界を知ろう、世界と触れ合おうワークショップ』と呼んでいたWSは、
外部講師をお招きしてテーマに基づき、
参加者が考えたことや感じたことをシェアしながら体験型の学びの時間だった。
レッスンの枠を超えた気づき、学びのワクワクを感じられるよう願いを込めて、
講師の方と何度も内容を練りながら決めてきた。
私はアメリカやフランスの教育現場に身を置き、
「英語/外国語は学ぶだけでは使えるようにならない、考えること、
 その自分の考えを発信し受け取る練習をしていくことが必須」と気づいたことが
このワークショップを始めるきっかけだった。
そして、英語を学んでいく中での人との出会い、
どうして?と心の奥がウズウズする好奇心を刺激できたら、
と私自身が身を持って得てきたことを還元できたら嬉しい。

 

第7回で中断していたワークショップの再開記念?の講師は
Let’s Talk!卒業生の“みーちゃん”に決めた。
スターバックスでおよそ2年間働いていた彼女、
スタッフを「パートナー」と呼ぶと彼女から聞いたこと。
みーちゃんと小学6年生の時に一緒に行ったNYのスターバックスのことや、
スターバックスで働く楽しさを聞きながら、是非講師をお願いしたいと思った。
そして、私自身も、その頃スタバでの思いがけない出会いやシンクロがあり、
スターバックスによく行くようになっていた。
そうしてワークショップのテーマを
『どうしてスタバに人が集まるか -SDGsへの取り組みを通してみえるスタバの魅力と努力-』に決めた。

 

5月開催のワークショップに向けて、みーちゃんと打ち合わせをする中で、
よく見慣れたスタバのロゴマークの名前の話になり、
みーちゃんは「サイレン」と、私は「セイレン」と言った。
「私たちはサイレンって呼んでるよ。“サイレンブレンド“もあるし。」とみーちゃん。
私は、以前読んだ本『スターバックス成功物語』に書いてあった”セイレン”と覚えていた。
んんん・・・どっち?!

 

それから2ヶ月後の7月、私はユーミンライブにいた。
The Journeyと題したユーミン50周年記念ライブは、
海賊船を模した巨大な船がステージ中央に設置されており、
ユーミン船長の船に観客は乗船するというシナリオ。
圧倒的な躍動感あふれるステージに見惚れるも、ある1曲に耳が止まった。
船長の衣装から一変して水色の衣装に身を包み、
海原のような照明の中で歌うユーミンはまるで人魚のよう・・・
 

翌日、ライブの余韻を味わいながら前日歌われていた曲を流し、
一人ライブに浮かれていると、
あれ??この曲、歌詞は人魚の姿でユーミンが歌っていた歌・・・?

  セイレーン
  舟乗りを惑わす哀しい声が
  ずっと まだ今も聞こえる
  もう二度と・・・

 

ん?もしかして、セイレーンってあのスタバのロゴマークの名前?!

 

気になりすぐ調べてみると、
「サイレン/セイレンはギリシャ神話に登場する海で船乗りを惑わせるという恐ろしい怪物。
 上半身が人間の女性で、下半身は鳥の姿をしている。」
 英語:Siren サイレン ギリシャ語:Σειρήν, Seirḗnセイレーン
 

そうか!ということは、みーちゃんが言うサイレンも、
私が言うセイレンも間違っていないということ!
即オーストラリアに住まいを移したみーちゃんにLineで伝えた。

 

スターバックスは、創業した1971年、
ロゴマークを探す旅の途中に創業者の目に留まったのが
古い海洋書の中で、微笑む木版画の人形。
「コーヒーの香りで道行く人々を魅了したい」という思いをロゴマークに託したという。

 

5月に行われたワークショップのおかげで、参加者はスタバの魅力を再発見し、
私は近くのスタバがサードプレイスになった。
スタバのアプリをダウンロードし、スタバカードでお支払い、
そしてタンブラー部にも入部し、只今のステータスは“ムードメーカー”。
時折Myタンブラーを持って出かけるスタバで、最近気づいた一枚の絵、
これはSirenでは・・・?
ある時は、そのSirenの絵の前に席を取り、ただただ絵に見入っていた。
脳内で流れているのは、ユーミンの♪サイレーン♪

優雅に海中を泳ぐSirenは、パートナーと客を見守っているのかな、魅惑しているのかな・・・

 


〈参考文献等〉
・『スターバックス成功物語』Howard Schultz/Dori Jones Yang著 
              小幡照雄/大川修二訳  日経BP社 1999年
・ Wikipedia 「セイレーン」

上に戻る