新しい年が明けて1回目のレッスンに集まってきた生徒達に、
「お正月どうしていた?楽しかった?」と訊いた。例年のこと。
「おばあちゃんの家に行って・・・」「お年玉・・・」という話に混じって、
1月1日に発生した能登半島地震について話し始めた生徒が何人かいた。
「散々なお正月だったよ。新年早々に地震はあるし、羽田空港で飛行機の衝突事故はあるし。」
と自分のことを言う前に、能登半島地震の話を始めた小学4年生。
「私はお正月に美味しい物を食べられたけど、石川県の地震の被害に遭った人は
それどころじゃないから・・・」と涙目になっていた中学2年生。
この地震について、対岸の火事ではなく自分事として、捉えていた彼らの感受性に打たれた。
少し前に、『TSUNAMIをこえて』という写真集を小学2年生と開いた。
2004年12月発生したスマトラ沖地震直後の写真と、そこに暮らす人々の悲しみ、苦しみ、
そして喜びが伝わる写真に解説が添えられている。もう20年前のこと。
低学年クラスのレッスンの終わりの方に、時々絵本の読み聞かせをする。
好きな絵本を、生徒が本棚から1冊選ぶことにしている。英語の絵本、日本語の絵本もあり。
この本は、レッスン後に一人の生徒が「家族と一緒に見たい。」と家に持ち帰った。
もう1冊の写真集『たった一発の爆弾でヒロシマ20万人、ナガサキ10万人が死んだ。』は、
私が広島の原爆ドーム資料館で購入した1冊。小学生の時に、何度もこの本を手にして
見入っていたMちゃんからこの年末に10年ぶりくらいに連絡があり、再会した。
今度帰省の際には、この本を覚えているか、この本を熱心に見ていたことを覚えているか、
聞いてみようかな。
争いが絶えない国々、飢えに苦しむ子どもたち、自然災害・・・
世界のどこかで起こっていることを、他人事ではなく自分事として感じる、考える大人に
育ってほしいと願う。そして、自分もそんな大人でありたい。
今週のレッスンでは、この能登半島地震について語り合おうと思う。
結論めいたこと、答えが出なくても、感じたことや気づいたことをシェアすることで、
心のヒダが細やかになっていくと信じている。
中学生とは英語で話せるかな?