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日本の二十四節気

2013年新しい年が明けて、私が決めた今年のモットーは「根を深く翼を広げて」。日本人であることをより感じ、日本を知り慈しむ年にしようと、心に決めた。

「日本人って何?」この問いは、英語を話し様々な国の人々と出会い語り合うようになってから常に私の心のなかで自問自答している問い。世界の国々のその地域で育まれてきた文化、歴史を知ると感慨深くなると共に、考えさせられるのは「では日本人って何?」ということ。これまで日本を愛する多くの外国の人々と話しをしてきたなかで、「どうしてそんなに日本が好きなの?」という問いから、もっと自分が自国を愛したいと思った。

さて、年の初めから季節ごとのしきたり、習慣について、いつもより意識しながら過ごしている。

1月1日  お正月
1月7日     七草粥
1月11日     鏡開き
1月15日  どんとはらい
2月3日  節分
3月3日  桃の節句
3月21日  春分


毎季節、毎月何かしらのお祝い事や儀式があることに気づく。私は子どもの頃からこういう”行事”が好きだったことを思い出す。お正月のお雑煮、節分の豆まき、おひな祭りのちらし寿司・・・などささやかな家族の伝統を抜かしてはならぬ、と。

しかし、改めてその1つ1つの由来や意味を考えてみるとたくさんのWhy?が浮かぶ。

私の手元に置いているのが『日本の七十二候を楽しむ』。バイブルのように開いては、ふむふむ・・・上手く考えたよな〜と昔の人々の知恵に静かに感動する。

日本には春夏秋冬4つの季節だけではなく、二十四の節気と七十二もの季節があるという。二十四節気は、立春からはじまり春分、夏至、秋分、冬至の四つの時期に春夏秋冬それぞれの盛りを迎え、大寒で締めくられて1年となる。
                                                                                           『日本の七十二候を楽しむ』より

二十四節気とは、農事のために太陽の運行を元に作られた季節の目安。地球から見て太陽が移動する天球上の通り道を「黄道」といい、二十四節気はその黄道の上に24の基準点を設け太陽がそれらを通過する二十四の日付に季節感豊かな名前をつけた。
『12ヶ月のしきたい』より

春の節気は立春、雨水、啓蟄、春分・・・
新暦のおよそ四月四日〜四月十九日頃を『清明』という。清明とは、すべてのものが清らかで生き生きとする頃のこと。若葉が萌え、花が咲き、鳥が舞い歌う、清明が輝く季節の到来です。


と。清らかで明るい・・・なるほど上手く言ったものだ。

数日後、美味しいお煎茶が飲みたくて町のお茶店に出向いた。店主が語ってくれるお茶にまつわるウンチクを聞くのも楽しみで、私はいつもそこでお茶を買う。「新茶が出てるから、これがいいよ。」と奨めてくれたのが、屋久島で採れたお茶”屋久島茶”。もう1つが”明前新茶”、清明節の時期に採れたお茶。

『清明』は、ほんの2週間程。その年の天候や土の状態も違うなかで、毎年同じように茶葉が成長するとは限らない。そんな中摘み取られたお茶、考えるとありがたみが増す。

つくづく日本は四季の移り変わりのなかで、自然を愛で味わい、慈しみ暮らしてきたことを感じる。その自然との結びつきのなかで育まれてきた知恵、生活文化。根底には神道がある。パソコンもない、交通手段も発達していない時代、人々は自然に聴き自然から教わり自然と共に生きてきたのだろう。今ここにあるものを大事にしながら。

外国の友人からよく”sensitive”と言われたことを思い出す。「繊細?そうかな?」と疑問だったが、これは日本人として生まれた自分のなかにあるDNA、しっかり感じ味わって行こう。味わい楽しみ、知識を増やし外国の人々に伝えていきたい。これも英語を学ぶ喜び、意義。

季節は春から新緑、自然のなかに 花鳥風月・・・喜び味わっていこう。


【参考文献】
・日本の七十二候を楽しむ 白石明大著   東邦出版
・12ヶ月のしきたり    新谷尚紀著   PHP出版 


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