NHKスペシャル「白州次郎物語」を観た。
9年間の英国留学を終え帰国した次郎と、米国のハイスクールを卒業して帰国した正子の出会いは、英語で。格調高い次郎のクィーンズイングリッシュと、なめらかな正子のアメリカ英語。You resemble me a lot.(あなたは僕に似ている) You’re a lonly person.(あなたは孤独な人だ) 次郎27歳、正子19歳。 お互いに一目ぼれ。その後結婚。二人の会話はほとんど英語だったと聞いた。海外で暮らした者たちには、通じ合う何かがある気がする。言葉を交わす前に、その人が醸し出す雰囲気で何となくわかる。同じ匂いがするから。西海岸香、フランス香、アジア香、ドイツ香、無国籍香・・・・私が出合って来た人々は、より影響を大きく受けた国、愛着がある国の香りがする。しぐさ、表情、発想、物の考え方などにおいて。
次郎&正子のようなロマンティックではないけれど・・・ちょっと不思議で、ファンタスティックな出会いを思い出した。ずーーっと前、スポーツジムのサウナでのこと。みんなBaby suit のまま。私は、この人何者かな~って何となくチラチラ気にしている人がいた。 すると・・・話しかけられた! 突然、英語で!何て言われたか覚えていないけれど、私も英語で応えてしばし話した。不思議と自然に。
私の母ほどの年齢の I さんが、14年間シカゴに住んでいたこと、それはそれは紳士な旦那さまに愛されて上流階級の暮らしをしていたこと、私が卒業した短大の第1回卒業生だということ・・・一気にその日教えてくれた。そう、意気投合してお食事をご馳走になった。これが、男女ならステキな恋のはじまり・・・・となるのでしょうが、I さんとはその後ゆる~くつながっていた。時折ハガキが届いた。ハガキはいつも決ってカシニョールか、季節のお花があしらってあるハガキ。。ある日のお便りはこんな風。
心の友を持っていることがどんなにたのしいものか・・・
わかるでしょ。今朝ボロ家の庭に咲いた赤とピンクの
バラを1人で銀トレーにのせて、キャンドルたいて、
ブレックファーストを食べます。・・・・
海外に長い間住んでいた女性が身につけるであろう”誇りと粋”、”孤独と愛情”、に満ちている。あれから時が流れ、I さんどうしているかしら。 お便りしてみよう。
外国語をある程度まで高めた人は、日本語話していても感覚が外国語っぽいなって思うことがある。それは、きっと母国語以外の言語に触れる中で養われていく感覚ゆえだと思う。
『出会いは英語で』・・・英語を話すと出会いの数は数十倍、数百倍。中学生の甥には、「世界中の旅に出れば?」と言われた。私の王子さま探しのこと。青い鳥では、”大切なことは、すぐそばにあるよ”って教わったけど。 どっちがホント?どっちもホント? とほほ・・・