空の上から観たフィンランドは、点在する湖を囲むように森で覆われていた。「ムーミンが住んでいそう。」・・・本当にそんな気がして。飛行機で9時間半、日本から一番近いヨーロッパ・フィンランドは約18万8000の湖と、同数の島で成り立っている国、国旗の青は空と湖を、白は雪を象徴しているという。
フランスからの帰路、私はほんの1日弱ヘルシンキに滞在した。初めて訪れたフィンランド・ヘルシンキの町の美しさ、人々の穏やかで親切な印象と共に、フィンランド人の英語の上手さに驚いた。話しには聞いていたけど・・・と感動した。空港、ホテルに勤務の人はもちろん、バス乗り場を教えてくれたお兄さんも、ショップの店員さんも、私が英語で話しかけると何のためらいもなく、さらりと英語で返してくれた。しかもネイティブ並みの流暢さで。
フィンランドは国際的に教育水準が高く、英語教育のレベルが高いことでも知られている。調べているうちに、益々興味が湧いてきた。人口500万人程の小さな国、フィンランド人の英語力が高い秘密には、「母国だけでは世界で生き残れない」「小さい国だからこそがんばろう」という発想が根底にあると知った。英語などの第一外国語の習得は小学3年生から始まり、テレビ番組、映画などは吹き替えがないため、子ども達は英語でそのまま見聞きする環境にある。高校生の英語授業は、スピーチ、プレゼンテーションなどが頻繁に行われ、テストは英語のテキストや本を読んでエッセイをまとめる。年齢が上がるにつれて、英語で読み自分の考えをまとめるのが必須となるという。
これまでに私が訪れたヨーロッパ7カ国に続き、フィンランドでも英語が当たり前に通じ、使われていた。オランダ、ノルウェーの友人家族は私が会話に加わると家族全員が英語に切り替えて話してくれ、衝撃を受けたけれど、フィンランドでも同様に言語スウィッチ(ある言語から他の言語へ切り替えて話すこと)が容易に行われていた。
『英語は世界語』を肌で感じながら、生徒達の顔が浮かんだ。島国ニッポンは、英語を使う必要性、機会が少ないことは確か、ある意味とても恵まれているのかもしれない。だからこそ、日本の子ども達、若者よ、世界を観よう!世界の人々に出会い、生きる逞しさ、強さ、優しさを学んでほしい。英語は人と人、国と国をつなぐ武器になる。
英語さんぽ道