11月末、感謝祭が終わるとアメリカの街はクリスマス一色。クリスマスショッピングリストを作り、遠くに住む家族や友達にカードを書く。そして12月1日は、アドベントの始まり。クリスマスまであと何日・・・?この季節には、私達を無条件の幸福感に包んでくれる不思議な魔法があるよう。そんな高揚した、そしてロマンチックな雰囲気も手伝って、 クリスマスシーンが登場する映画は多いように思う。2001年公開された『Serendipity』もその1つ。クリスマス5日前のニューヨーク・ブルーミングデール。お互いの恋人へのクリスマスプレゼントを選んでいるジョナサンとサラ。1組しかない手袋を手にする2人。お互い惹かれあうものを感じ、その後“Serendipity”という名のカフェで、お茶をする。この出会いは、偶然か・・・・運命か・・・・? “運命”であることを願いつつ・・・それぞれの場所に戻る。さて、2人に再び“偶然”は訪れるのか・・・。気になる方は、映画をご覧ください。
さて、映画のタイトルにもなっている“Serendipity”って何? 英英辞典によると・・・ an apparent aptitude for making accidental fortunate discoveries(Webster’s New World Dictionary) 「何かを探している時に探しているものとは別の価値があるものを見つける能力、才能をさす言葉。セレンディピティは、物語「セレンディップの三人の王子」に由来する。王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事に遭遇し彼らがもともと探していなかった何かを発見する。例えば、道の左側の草だけが食べられているのを見つけて、片目のロバが歩いているのを発見。」(ウキペディア)“セレンディピティ”は、間違いなく、起こる“現象”ではなく“能力・素質”なのだという。では、ピッタリの日本語は?と考えてみる。・・・・ない。セレンディピティは、日本語に直訳できない言葉、概念。この言葉を確かめようと和英辞典を引こうとしても、どこをみればいいかわからない。映画の中で、ジョナサン、サラは次々起こる偶然の出来事に“fortunate accident” と口にする。幸運なアクシデント・・・悪くないかも・・・。偶然を愉しむ、アクシデントを遊ぶ、アクシデントを幸運に変える・・・。これらは、綿密な計画の下に生まれないことは確か。目に見えるもの、確実なことだけを追っていては生まれないだろう。
Serendipityが、私達に備わっているかもしれない“能力・素質”ならば、それを信じて磨いてみてはどうだろう。
ホリデーシーズン、 あなたに沢山のセレンディピティが起こりますように。
英語さんぽ道