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英語さんぽ道

アメリカの歴史を学び直す

アメリカには2年ほど住んでいた。Oakland(カリフォルニア州)とScranton(ペンシルバニア州)に。20代の頃住んでいたカリフォルニアと30代の頃住んだペンシルバニアは、気候も人々の気質も価値観も、カルチャーも、そして英語も違っていてアメリカ国内カルチャーショックだった。もちろん自分のなかでの、変化成長もあり受け止め方が変わっていることにも気づいた。

私にとって、初めての外国との出会いがアメリカであり、カリフォルニアだった。19歳のフレッシュな感覚は、カリフォルニアの太陽を、空の青さを素直に「いいな」と身体の細胞が全開する気持ちよさ、その後も次々色々なところを訪れた。サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、サンタフェ、ラスベガス、レイクタホ、ヨセミテ、シカゴ、フィラデルフィア、ジムソープ、ワシントンDC、テキサス、ニューヨーク、ボストン・・・

車で、バスで、鉄道で、飛行機で、結構旅したなーと今振り返る。
日本の葯25倍もあるアメリカは広い。「これだけ広い国を1つに統一するのは、とても無理なお願い。政治にしろ、教育にしろ、いくつかの国に分けて統制すべきだ。」とボストンに住む友人が話していたことを思い出す。

気候風土も人々の暮らしも、宗教も違う都市や小さな町。”Diversity”という言葉がぴったりのアメリカを肌で感じた。アメリカの歴史的な場所、例えば独立宣言が行われたフィラデルフィアや南北戦争の傷跡残るテキサス、政治の中心ワシントンD.C、ヨーロッパの玄関口だったボストンなどを訪れた際に、アメリカの歴史に断片的に触れていた。それでもその時「ふぅ〜ん」と思ったきり、その後は忘れる始末。

アメリカについて、もう少し知りたい伝えたい。この3月に生徒を連れてNYに行く計画があり、その前にアメリカの歴史を体系的に学び直すことにした。

そして購入したテキストが2冊。『物語 アメリカの歴史 超大国の行方』猿谷要著 と『アメリカ黒人の歴史 奴隷貿易からオバマ大統領まで』上杉忍著。アメリカの歴史ノートを作り、本を読み進めながら書き留めていった。アメリカ大陸に最初に住んでいたのは、インディアン。紀元前二万五〇〇〇年頃から一万二〇〇〇年頃にかけて、アジアから移住してきたと考えられている、と猿谷氏は書いている。そういえば、カリフォルニアで、サンタフェで、American Indianと言われる人たちに会ったこと、テキサスでNative Americanを描いた絵が飾られていたギャラリーがあった。American Indian,Native Americanというのは、同じように先住民を指す表現だけれど、時の流れとともに変化してきているという。

さて、その先住民たちが住んでいたと言われるアメリカ大陸を発見したと言われているコロンブス。1492年にアメリカに到着、その後の航海を合わせて計4回も探検を繰り返した、と知った。それからイギリス、スペイン、フランスなどが、アメリカ東部に侵入し次々植民地を建設して行った。
そして、アメリカの独立宣言が行われたのが1776年7月4日。We hold these truth to be self-evident that all men are created equal・・・で始まる独立宣言が行われたペンシルバニア州フィラデルフィアを「あーあそこね。」と思い出す。1789年ワシントンが初代大統領になってから現在のオバマ大統領は、44代目である。

アメリカは新しい国。その250年弱のアメリカの歴史を読み進めると、アメリカは奴隷開放から人種差別、南北戦争を始めアメリカが指揮してきた世界各国での歴史の上に国造りをしてきたことを知る。多くの血と涙が流されてきた。

アメリカに住んでいたとき、「なぜアメリカ人はこうなの?!」と怒ったり、大嫌いになったり・・・それもこれも、今少し歴史を学んでいくと腑に落ちることが沢山ある。アメリカは移民の国、新しい国。本を読んだり、地図や年表を眺めたり・・・歴史は切り口によって語られ方が様々だし、語る人によっても全く違う見え方をする。学校の歴史の授業をを面白いと思ったことはなかったけれど、こうして能動的に学んでいくと、とってもワクワクする。

全てのモノ、コト、トコロに歴史在り。史実の裏側には、無数のストーリーとドラマがあり、歴史を創って来た人々がいる。そうやって積み重ねられて今がある。知っていることと知らないことの間には、大きな隔たりがあり、歴史を学び、その地を訪れるのはまた深まる。ありがたみが増す。歴史を学んで訪れたアメリカNYは、確かにこれまでより深く、”向こう側”を感じとることができた気がする。


歴史を紡いできた人々に敬意を払い、さらに歴史から学んでいきたい。

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