「フランスのりんごの木ってさ、”木”そのものなんだよね。」とフランスに住んでいた友人から聞いていた。何だかピンと来なかったけど、彼が言っていたのはつまり”フランスのりんごの木は、街路樹や森にある木のような木にりんごが実をつけている”ということらしい。背丈も高いし、枝も伸び放題。野生的・・・かな?日本のりんごの木は剪定されているから、背丈が低く枝も切り落とされてこじんまりしているということ。りんごの実をつけるために木がある、のかな。
我が家から数軒先のお家に、りんごの木がある。元農協にお勤めのおじいちゃんの家、りんごの袋がけなどは、りんご園のごとく立派。 その2本の木をよく見ると確かに、枝がところどころ剪定されていて、背丈はそれほど高くない。”これがりんごの木”とずっと思っていた。
私が住む岩手はりんご国。10月始めに出始めるりんごは、”さんさ”や”つがる”から始まり、大好きな”ジョナゴールド”そして”ふじ”が収穫される12月まで楽しむことができる。その間、どれだけの種類のりんごがあるのだろう・・・私は、八百屋さんに出向いてはその時旬のりんごを買って食べるのを楽しみにしている。
「フランスのりんごの木が見たい」はいつまでも心の中にあり、この9月2度目のフランス滞在の際のやりたいことリストに加わった。りんごの木、りんごの木・・・ フランス北部、ノルマンディーを訪れたときのこと。ノルマンディーは、農業、酪農が盛んなところ、アップルシードルが名産だ。友人の車に乗せられて、ノルマンディーのあちこちに連れて行ってもらった。
ミッケーー!りんごの木、見つけた!やっぱり・・・
鬱蒼と茂った木になるりんごたち。明らかに背丈が高く、枝も豊富。気をつけて見ないと、りんごが枝にかくれて見えないほど。「このことか〜!」と、りんごの木をまじまじと見上げ「りんごの木は、木そのもの。」と言っていた友人の言葉に納得した。
ところで、りんごの栽培は8,000年前から始まったとされ、人類の歴史が始まった頃、りんごはすでに存在していたという。8,000年前・・・途方もない昔からりんごがあったとは。ヨーロッパの神話や伝説には至るところで”りんご”が登場するという。聖書に登場するアダムとイブが食べた禁断の実は、”りんご”と言われている。(どうやらこれは定説化されているらしいけれど。)
りんご大好き。
アメリカに住んでいるときは、よくりんごの丸かじりをしていた。大学の寮のカフェテリアには、必ず2種類のりんごがバスケットに入っていた。赤いりんごと黄みどり色のりんご。サンドウッチとりんごは、ランチの定番だった。紅玉が出回る頃になると、追われるようにりんごのお菓子を作る。アップルパイ、アップルマフィン、アップルケーキ・・・ そのまま食べても、お菓子にしてもよいりんご。”An apple a day keeps the doctor away.”「1日1個のりんごは医者知らず」という、イギリスの古くからのことわざがあるように、りんごポリフェノールを含むりんごは免疫活性化、美肌効果、老化防止などの作用が含まれており、栄養価も優れている。
りんごの季節、さあ今日もりんごを食べよう!
英語さんぽ道