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セーラジャーナル

英語さんぽ道

にんじんの種

 「今年のにんじんはいつになくいい!」畑に野菜を育てている母が言う。何でも、3年目にしてやっと、種から植えたにんじんが実ったそう。我が家の小さな野菜畑へ行ってみる。土からちょっぴり頭を出したオレンジ色のにんじんの実(根?)、ぐーーんと伸びた茎と細やかな葉っぱがかわいい。ピーターラビットが来るかも!と私はニンマリ・・・。

「それにしても、人参って不思議だよねー。土の中で育って、太陽を浴びていないのに、こんなに橙色なんだから。」友人が言っていたことを思い出す。

畑の愛らしいにんじんを、茎を引っ張って抜いて、洗って生のまま食べてみる。カリッ!
「うわーーーー!にんじんの味がする!」当たり前だけど、ちゃーーんとにんじんの香りがして、濃い味。スーパーで買う人参とは違う。

私はにんじんがスキ。小腹が空くと、生の人参をぽりぽり食べる。Myおやつ。高校生の姪も、少し前ににんじんブーム♪が起こっていて、にんじんスティックが間食だった。ある日、2人でグランマの畑(私の母の畑)へ行き、にんじんを2本収穫。食べる。「うううまーーーっい!!!」2人で顔を合わせてにんじんの美味しさに感動した。

その後、絵を描くことや言葉が好きな姪が、ポストカードにほんわかした絵とちっちゃな”はなし”を書いていた。


『にんじんのはなし』
温室でぬくぬく育てられたにんじんは味が薄くなる。
自然の中で、過酷な状況もくぐりぬけてきた
にんじんは味が濃くなる。

ひとも同じだ。
大変だけど味が濃いひとになりたいな。


にんじんにんじんにんじん・・・

その後、出会った絵本『The Carrot Seed 』Story by Ruth Krauss, Pictured by Crockett Johnson   『にんじんの種』という絵本を姪に贈った。

ある日、少年はにんじんの種を植えた。「芽は出ないよ。」誰もが言った。ママもパパもお兄ちゃんも、他の人たちみーんなみんな。それでも少年は、雑草を採り、水をあげ、にんじんの種を育てた。毎日、毎日。

すると、ある日・・・

芽が出た!
A carrot came up!

最後の文が印象的。

少年は、知っていたんだ。ちゃーんと芽が出るってことを。
just as the little boy had known it would.

少年は知っていた。
子どもが”何となくわかっていること”、”知っている”ことって正しいことが多い。
何の根拠がなくても。

実は信じることに、理屈も根拠もいらないのかもしれない。

子どものように、シンプルに『信じる』だけ。
大人は『信じる、って決める』だけ。

そして、淡々とやるべきことをやっていく。毎日、毎日。誰が何と言おうと。
私にとっての、『にんじんの種』は何かと考える。

あなたにとっての、『にんじんの種』は何ですか?


そうか、畑のにんじんを育てている母は、人知れず雑草を採り、水をあげていたんだ。









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